| 肝がんのQ&A 2010年2月号(174号)の講演録から |
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質問 |
回答 |
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2008年9月にC型肝炎から肝がんになり10月にラジオ波治療をして、2009年の2月に同じところと別のところから再発してカテーテル治療をしました。
10月に、また同じところと別のところに再発してカテーテルをやりました。今は幸い再発していない現状です。
インターフェロン治療は年齢も高いのでだめ、ネクサバールやリーバクトも私にはだめだということで、どうしようもありません。
結局、現在飲んでいるウルソだけでいいのかどうか。一番怖いのは再発です。再発した場合の治療法が非常に心配です。 |
例えば食道がんは手術して5年経って再発しなければ「もうあなたは大丈夫ですよ」と言い切れる状態です。ところが肝臓がんはウイルスによって起こるがんのせいかよくわかりませんが、C型肝炎だとすると再発が必発です。
自分の生き方とか、いわゆる尊厳といいますが、例えば「自分はこういう治療をやりたくない」とか「つらいことはやりたくない」とか「私はいくらでも治療を受けてとにかく頑張る」と、いろいろな人がいますので、その人なりの治療や生き方をすべきだと思うのです。
「私はどうしてインターフェロンができないのか、ネクサバールを飲めないのか」を主治医に直接お尋ねしていく中で、自分の治療の枠がどの辺になるかを理解して、その中から選んでいただくのがいいと思います。 |
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今までインターフェロンを2回やりまして、2回とも2〜3カ月で間質性肺炎になるからと中止しました。
今後、肝がんの発生を遅らせるための治療はどのようにしたらいいでしょうか。今はウルソだけ飲んでいます。
例えば少量インターフェロンの投与はいいのかをお聞きしたい。 |
間質性肺炎は自己免疫が関係している病気ではないかと言われています。何回やっても間質性肺炎が起こるということは、そういう体質を持っているのだと思います。
そういう方はたとえ少量投与にしてもやはり起こります。間質性肺炎は肺の肝硬変みたいなものです。肺の中にケロイドがいっぱい溜まって、それによって酸素と二酸化炭素の行き来が遮られる病気です。
インターフェロンによって起こった場合は、ステロイドを大量に投与すると回復することも結構あります。インターフェロンを投与できない方の場合は、根本的にはウルソや強ミノでALTを正常化させる治療をします。 |
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C型による肝がんをラジオ波で2回治療しています。
ペグ・リバをやって12週でウイルスが消えましたが、最後のほうで肝がんができたのでペグ・リバをやめたら、またプラスになって今6logぐらいです。
どんな治療でも積極的にやってみたいのですが、どうしたら新薬の治療を早く受けられますか。 |
現在日本での新薬の使用はなかなか難しいと思います。
個人輸入みたいなところを伝って入手する方法も昔は結構緩やかなところもあったのですが、今はちょっと難しいですね。
あと2年ぐらいで承認になると思います。フェロン(IFNβ)はリバビリンと併用できますので、これを試してみるのも一つの方法だと思います。ただ、がんを持っているとおそらく治験に加わることができないですね。 |
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5年前にαインターフェロンとリバビリン24週の治療を受けました。
2週間でウイルスはいったん消えたのですが、3カ月後に手がこわばったり足が静止しているのがつらくて中止しました。それはアキネジアという病名で、服用していたドグマチールという薬が原因だったのでアキネトンとピレチアを服用してすぐ治ったのですが、その後肝炎の治療をしていません。
今度は比較的副作用が軽いと言われるペグ・リバ治療をしたいのですが、副作用が心配です。 |
ドグマチールを飲んでその副作用の錐体外路症状が出てしまったのですから、ドグマチールを飲まなければいいわけです。ドグマチールをなぜ処方されたかというと、うつ症状が出たからだと思います。
インターフェロン製剤でうつ症状が出にくいインターフェロンβというお薬があります。その中でも今度はフェロンが保険収載されて、フェロンとリバビリンの併用療法ができるようになりましたのでドグマチールを使わないで済む治療をされるとよいかと思います。 |
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平成18年に肝性脳症になりました。すぐに入院して脾臓を縮めて、8月にも酵素というのを埋め込みをやって、平成19年に食道静脈瘤ができて結紮(けっさつ)術をしました。
平成20年8月に肝臓がんになり、平成21年3月、7月と肝臓がんを塞栓術で計3回とりました。胸水が溜まるようになり、「がんの場所が根っこのほうにあって取れないのでネクサバールを飲みましょう」と飲み始めたら1週間で手足症候群になり始めて、あちこち痛くてすぐにやめました。「よくなってきたら、また少しずつ飲んだほうがいい」と言われて、1日4個飲むところを1個ずつ飲んでいます。4個飲み始めると手足症候群がまた出始めます。
違う内科の先生に診ていただいたら、「ここまでになったらもう大学病院に行きなさい」と言われてしまい、どうしたらよろしいでしょうか。 |
お話を聞いたところでは、残念ながら晩期ですね。がんは進行しているし、進行したがんに対してネクサバールという新薬を使って反応がよろしくない。副作用が強かったということで、ほかの手を考えなくてはいけません。
今できる治療にはどういうものがあるかを的確に考えて、その中で、どうしていくかを考えなくてはいけません。ガイドラインによれば、残念ながら緩和医療の段階です。そういうことも含めて考えていかなければいけないと思います。 |
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肝がんの治療にいい病院はどこかお聞きしたい。 |
どこの病院でも同じ医療ができるようにガイドラインをつくって、同じ医療が提供できるようにしています。
特殊なケースの場合はなるべく多くの診療科を備えた病院で、肝がんの患者さんを扱う数が多い病院が一番よろしいかと思います。 |
| B型肝炎・C型肝炎のQ&A 2009年12月号(173号)の講演録から |
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質問 |
回答 |
| 1 |
55歳です。1b型高ウイルス量で変異が0と1で、あまり効かない可能性が高いので、プロテアーゼ阻害剤を待ったほうがいいと言われました。プロテアーゼ阻害剤が実際に使えるのはいつからでしょうか。 |
今から3年後には市場に出ると思います。男性で50代前半であれば、今の段階でペグとリバビリンをする考えもあります。それから3年後のプロテアーゼ阻害剤まで待つという考えもあります。 |
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62歳です。インターフェロン治療の副作用によって体力を消耗して、せっかくのクオリティ・オブ・ライフが台無しになったのでは老後の生活が何もならないと思っています。
もしそういう懸念があって途中でストップした場合、もとの体力に戻る可能性があるんだろうかということが1つ。
それから、元気であれば新しい治療法薬を待つという2つの方法があります。どちらがいいのか。 |
60歳以上の患者さんには、プロテアーゼ阻害剤を待たないで1回はペグとリバビリンをやったほうがいいとお勧めしています。
基本的には早く治療をしたほうがいい。これは事実ですので、あまり副作用を恐れないほうがいいと私は思います。
ペグとリバビリン+プロテアーゼ阻害剤ですから、基本的には副作用はさらに強くなるとお考えになったほうがいいと思います。 |
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B型肝炎です。去年3月にがんが発生して手術しました。お聞きしたいのは子どものことです。35歳の娘は、私が入院治療をしているのを気にして本人も肝臓の専門医にかかっているのですが、非常にウイルス量が多い。
ただ、肝臓はきれいだから、発病するまで治療はできないと言われているそうです。33歳の息子は2、3年前からGOT、GPTが70〜80台が続いており、治療を受けなさいと言われているらしいのです。 |
まずお嬢さんは正常値が続いているということで、B型肝炎は数字が高くなったときに治療するほうがうまくいきます。息子さんは治療をする時期が来ている可能性が高いです。
お母さんが肝臓がんになられたことを見るとウイルスとしては相当強いと考えますので、どこかで治療しないとまずいと思います。
実はB型肝炎が得意な先生もいますし、C型肝炎の得意な先生もいますが、B型はC型よりもなかなか難しい。B型肝炎は、女性はわりとがんになりにくいのです。男性のほうがなりやすいです。 |
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77歳です。12年間強ミノをやって、もう注射を打つところがないほど打って、何の変わりもなかったら、それが正しいのかどうか。2回インターフェロン治療をしましたが再発しました。
がんにならないため、がんになるのを遅らせるために、これからどういう治療をすればいいのか。自己注射についてもお話し願えたらと思います。 |
強ミノを12年間やって、12年間元気に生きたら、それはそれで価値があります。強ミノというのは今から約70年前にできた薬です。それでずっとがんにならずに70歳、80歳まで全うした人がいっぱいいます。
自己注射は75歳まではわりとできます。がんにならない目的だけです。治りません。がんにならないようにして、いつまで自分が人生を楽しむかというところです。 |
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60歳代です。B型とC型と両方ある。肝生検をしたら、線維化も炎症化も1と2の間で、今後10年間は肝硬変などにはならないでしょうねと言われたんです。
このまま3年待ってもいいのかなということと、貧血が少しあるから、貧血を治さないと始まらないよと言われた。 |
高齢者は慢性肝炎からでもがんになるのが常識になってきました。肝硬変にならなくてもがんになります。
今のプロテアーゼ阻害剤では、程度によりますが、貧血が強い人はできません。貧血の薬も一緒に飲む治験が今年12月にスタートします。
いずれにしても貧血を治して治療をしますが、貧血をよくすると鉄が入りますから肝炎が悪くなることがあります。
今ペグとリバビリンをやるならば、今貧血を治したほうがいいですし、プロテアーゼ阻害剤をやるならば、もうちょっとあとになって貧血を治したほうがいいです。 |
| 6 |
66歳です。6、7年前に静脈瘤を2回しまた。肝硬変に移っていることと、5年前に脾臓が3人分の大きさがあるということで、インターフェロンもペグも1年半やりまして、今はスミフェロン300の自己注射をやっています。
去年の11月頃からこむら返りが来て、左足だけにだいたい毎日来ています。それはどういうことからですか。 |
それは肝硬変から来るので、芍薬甘草湯という芍薬の根の漢方がこむら返りにはものすごく効きますよ。毎食後に飲んでいるとよく効いてくると思います。 |
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73歳になりました。ウイルスが消えて4年です。消えたのに去年、肝臓がんが発生しました。カテーテルを2回、肝がん手術を1回しました。 |
ウイルスが消えて4年ぐらい経ってからがんが出たと言われていますから、やる前に多分がんがあったのだと推定します。
がんは見えてくるまでに最低5、6年かかります。ですから、インターフェロンを始めたときに既にがんがあった人は、たとえ治ってもがんが出てきます。そこで完全にがんをなくしてしまう治療ができれば再発する人は極めて少ないです。 |
| 8 |
73歳です。ペグとリバビリンの併用療法をしました。1回はマイナスになって2年経ちまして再検査すると、ウイルスがまた泳いでいました。
私は頑張ると言っているのですが、精神的なうつ状態に入ったのと、血小板の減少や貧血が出たので、挫折しました。
結果的にはその後ずっと肝機能がいいのです。プロテアーゼ阻害剤が私に使えるのかどうか、教えていただきたい。
もう一つ、タチオンというお薬をいただいているのですが、その効果があって安定しているということはありますか。 |
基本的に、ペグとリバビリンをきちんとやりますと半分の方は治ります。これは皆さんご存じです。
治らなかった半分の中でも、その半分、つまり4分の1は、ずっと正常値が続く人です。
ペグとリバビリンでうつになった人はプロテアーゼ阻害剤は使えません。やるとしたらβインターフェロンとリバビリンです。これはうつになりません。
タチオンは50年前の薬ですので、効果があるかないかはわかりませんが、効いている人は、それを飲んでいるからだと思っていいし、効かない人は、この薬は効かないと思ったほうがいいと思います。副作用はありません。 |
| 9 |
ペグ・インターフェロンの単独療法を受けることになりました。「血液製剤を用いる治療法をするならばインターフェロンの治療を受けたくない」と話したのです。
すると、今はリスクを負ってまでも治療する状態ではないので、制約がある治療ならリスクを侵してまでしないほうがいいと言います。 |
インターフェロン療法は、副作用がない人はありません。必ず何か起こります。そうなると、リスクのことを患者さんから言われると、医者はまずやらないのが普通です。
ですからその辺は、医者と患者さんがどれだけ信頼関係があるかどうかです。 |
| 10 |
70歳です。今までのペガシスとコペガスをやりました。2カ月後にマイナスになり、今は5カ月目です。
その間に、過呼吸というんですか、とにかく夜中に寝られない。そのうち、もう本当にはさみを持ったり包丁を持ったりして走ったことがありました。
病院に戻りましたら、これはうつ病ではないかと言われました。心療内科に行きましたら、特別のうつ病ではないので鎮静剤で2、3日様子を見てくださいと言われたのですが、そうしたら今度は口内炎が。
そういうことは全部うつ病に入っているのかどうか。いつまでもこういう副作用が続くのかどうか、それをお願いします。 |
打っている最中は続くと思います。それは先生とよく相談をしてどうするかを決められるといいです。すべて主治医で命は決まりますから、先生と心中をすると決めたら先生と心中をする。
そのかわり先生にも、はさみを持って……という今の状況を全部伝えたほうがいいと思います。 |
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62歳女性です。1回αインターフェロンをやって8本目でうつが出たものですから、先生にβインターフェロンを勧められました。
ペグとリバビリンだと強いからβなのですが、効果のほうはいかがでしょうか。 |
効果は同じです。βは静脈注射ですから通院の回数が多くなります。 |