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B型肝炎訴訟 すべてのウイルス性肝炎患者の救済実現を目指して
「札幌高裁 勝訴判決を考える集い」 去る11月15日、東京・霞ヶ関の弁護士会館で日本肝臓病患者団体協議会(日肝協)が主催する「札幌高裁勝訴判決を考える集い」が開かれ、首都圏の患者会から約150人が参加しました。北海道の「肝炎訴訟」は、B型肝炎に感染したのは「乳幼児期における集団予防接種が原因である」として、5人の原告が1989年6月に札幌地方裁判所に国家賠償を求めて提訴、すべてのウイルス性肝炎患者の救済に道を拓くことを目指し、16年にわたり闘っている裁判です。一審判決は2000年3月「集団予防接種が肝炎ウイルス蔓延の相当程度大きな要因になりうる」としながら、原告個人の因果関係では証拠が不十分として国の直接の責任を認めませんでした。しかし、本年1月16日の札幌高裁判決は「原告5人はいずれも集団予防接種で(B型肝炎)感染したと認められる」として国の責任を断罪しました。私たちの上告しないよう求めた要請にもかかわらず、国はこの高裁判決を不服として最高裁に上告しました。以上の経過から集いは、札幌高裁勝訴判決の意義と国の責任を広く患者・国民に知っていただき、最高裁判決の勝利を目指そうと企画されたものです。午後1時から始まった第1部は、主催団体を代表して日肝協の中島小波代表幹事から挨拶があり、超党派の国会議員による「ウイルス性肝炎対策研究会」の家西悟、小池晃参議院議員、日本患者・家族団体協議会から激励のメッセージが披露されました。また、「薬害肝炎訴訟」で原告の一人として闘っている女性から連帯の挨拶がありました。続いて、原告弁護団の奥泉尚洋弁護士から、これまでの長い裁判の経過について報告があり、「最高裁で勝利しなければ国の肝炎対策は進まない」と述べました。
第2部のパネルディスカッションは『札幌高裁勝訴判決をどう受け止め、どう生かすか』というテーマで原告の木村伸一さん、弁護団の尾崎英雄弁護士、支える会の国中るみ子事務局長、日肝協常任幹事の井上尚直さんら4人のパネラーが発言しました。原告の木村さんは「提訴して16年にもなり、一日も早く解決してほしい。なぜ肝炎になったのか証明し、国の責任を明らかにしたい」と訴えました。最後に集会スローガン(別掲)を会場の大きな拍手で採択し、午後3時に閉会しました。その後、参加者の代表が衆・参両院の厚生労働委員会に所属する国会議員に「要望書」を提出して、肝炎対策の拡充について要請しました。
なお、集会前の午前中、日肝協の代表と原告団は最高裁判所に「一日も早く厳正な判決を出すよう」要請するとともに、厚生労働省には最高裁への上告取り下げ、原告団との交渉、患者救済の恒久対策について別記の「要望書」を提出しました。
【11・15集会スローガン】 原告を励まし、最高裁での勝利をめざしましょう。
すべてのウイルス性肝炎患者の救済を実現しましょう。
治療薬、治療法の開発・促進と治療体制を整備させましょう。
ウイルス性肝炎の正しい知識の普及・啓発と偏見・差別を解消させましょう。
要望事項
1. 厚生労働省は、最高裁への上告を速やかに取り下げること。 2. 高裁判決並びに関連案件については、原告団との交渉を行い、速やかに全面的に解決すること。 3. B型肝炎患者の相当数は、国の指導・指示による集団予防接種に責任があることを国は認め、治療に必要とした費用や患者と家族が蒙った損害の補償並びに今後必要かつ充分な治療を行えるよう、治療費や生活上の損害の補償に努めること。 4. 針・筒連続使用の集団予防接種によりC型肝炎ウイルスに感染した患者も含め、すべてのウイルス性肝炎患者・家族の救済を包含した恒久対策を実施すること。 5. 恒久対策にあたっては、次の各項の実施を要望する。 (1) ウイルス性肝炎に対する新しい治療薬、治療法の研究・開発を促進し、早期に医療保険の適用とすること。 (2) 二次医療圏ごとに専門医療が受けられるよう専門医を配置した医療機関を整備し、かかりつけ医と専門医療機関の連携を密にして、患者が身近な医療機関で良質な医療が受けられる体制を整備すること、また、『地域がん診療拠点病院の整備』を達成すること。 (3) ウイルス肝炎の正しい知識の普及・啓発により、肝炎患者・感染者に対する偏見と差別、とりわけ就学、就労差別をなくすよう具体的施策を実施すること。 (4) 早期発見、早期治療のために、肝炎ウイルス検査の検査態勢を全国的に確立すること。 (5) 療養が長期にわたり、高額な医療費負担に苦しむ重い肝臓病(ウイルスに起因する肝硬変等)を医療保険の高額療養費制度の「特定疾病」として認定すること。 (6) 患者の社会的支援のために肝機能障害を「身体障害者福祉法」の対象とすること。